海外旅行中にインフルエンザに!病院・ホテル・飛行機はどうすればいい?
海外旅行中にもしインフルエンザに感染してしまったら、どのように行動するべきでしょうか。
慣れない土地での発熱は、症状そのもののつらさに加えて、「帰国便に乗れるのか」「医療費はどうなるのか」といった不安が重なります。
この記事では、海外旅行中にインフルエンザが疑われた場合の対応や、飛行機の搭乗可否、ホテルの延泊にかかる費用への海外保険の利用などについて解説します。
海外でインフルエンザかな?と思ったら
海外旅行中は、時差ぼけや疲労、環境の変化、人混みに長時間いることなどにより、体調を崩しやすくなります。
そのため、インフルエンザなどの感染症に感染するリスクにも注意しなければなりません。
もしインフルエンザが疑われる場合は、周囲への感染拡大を防ぐためにも、適切に対応することが大切です。
インフルエンザの特徴的な症状とは
インフルエンザでは、一般的な風邪と比べて以下のような症状が急激に現れることが特徴です。
- 38℃以上の急な高熱
- 強い倦怠感
- 関節痛・筋肉痛
のどの痛みや鼻水などの症状を伴うこともありますが、「急激な寒気がして熱が上がってきた」「体の節々の痛みが強い」といった場合は、インフルエンザの可能性を考えましょう。
特に、同じツアー参加者や宿泊施設の利用者に似た症状の人がいる場合や、滞在地域でインフルエンザが流行している場合は注意が必要です。
薬局やドラッグストアで検査キットを購入できる場合もある
インフルエンザかどうか迷う場合、滞在先によっては薬局やドラッグストアで検査キットを購入し、自分で検査を行うのも一つの方法です。
新型コロナウイルス感染症の流行以降、日本でも検査キットが身近になりましたが、海外でも市販のインフルエンザ検査キットを購入できる場合があります。
ただし、検査結果だけで判断せず、高熱が続く、症状が強い、水分が取れない、呼吸が苦しいなどの場合は、早めに医療機関へ相談することが大切です。
海外で病院を受診する際の注意点
インフルエンザが疑われる場合は、日本で感染したときと同様に、現地の医療機関を受診することが可能です。
ホテルに滞在している場合は、フロントやコンシェルジュに相談すると、近隣の医療機関を案内してもらえることもあるでしょう。
ただし、海外では言語の問題や医療制度の違いから、受診までの流れおよび治療内容が日本とは異なる場合があります。
渡航先で受診する際の注意点を事前に確認し、万が一感染した場合に焦らないようにしておくことが大切です。
言葉の壁があるため、受診前の準備が大切
海外で医療機関を受診する場合、症状や経過を正確に伝える必要があります。
英語や現地の言葉に不安がある場合は、症状をまとめたメモを事前に準備しておくと安心です。
また、自己判断で医療機関を探す前に、まずは保険会社へ相談するのがおすすめです。近隣に日本語対応が可能な医療機関がある場合は紹介してもらえることもあるでしょう。
医療費が高額になる可能性がある
しかし、海外の医療費は日本と比べて高額になることも珍しくありません。
海外旅行保険の利用も可能ですが、保険に未加入の場合や、補償内容が十分でない場合は、大きな負担になる可能性があります。
国によっては、診察や検査だけで数万円以上かかるケースもあるため、「日本と同じくらいの費用で受診できる」と考えていると想像以上に高額になることがあります。
日本と同じように薬がもらえないこともある
日本では、インフルエンザに感染した場合、抗インフルエンザ薬が処方されるケースが多いです。
しかし、海外では国によって、症状や重症化リスクなどを踏まえ、解熱剤や水分補給などの対症療法を中心に経過をみるという方針をとっているところもあります。
受診をしたからといって必ずしも日本と同じように治療を受けられるとは限らないことも理解しておきましょう。
予定通り帰国できない場合、飛行機やホテルは?
インフルエンザに感染すると、予定通りの帰国が難しくなることがあります。
特に気になるのが、飛行機の変更・キャンセル手続きや、ホテルの延泊への対応でしょう。
帰国便に乗れない可能性がある場合は、早めに航空会社や宿泊先へ連絡し、必要な手続きを確認しておくことが大切です。
インフルエンザ発症中は原則として飛行機は搭乗不可
インフルエンザに感染している場合、感染拡大防止の観点から飛行機の搭乗は断られることが一般的です。
例えば、国内航空会社のJALやANAでは、学校保健安全法が定める出席停止期間(発症後5日を経過し、かつ解熱後2日〔幼児は3日〕を経過するまで)を参考に、搭乗を控えるよう案内しています。
熱が下がっていてもこの期間内は感染力が残っている可能性があるため、自己判断で搭乗せず、航空会社の指示に従うことが重要です。
便の変更やホテルの延泊費用が補償される可能性がある
予定通りの便に搭乗できない場合、まずは航空会社へ連絡し、変更手続きを行いましょう。
航空会社によっては、医師の診断書や診療記録を提示することで、変更手数料の免除や返金などを受けられる場合があります。ただし、格安航空会社(LCC)やキャンペーン料金など、一部の運賃では変更・返金条件が異なることがあるため、事前に航空会社の規定を確認しておくことが大切です。
また、ホテルの延泊費用や、追加で発生した交通費・通信費なども、海外旅行保険の補償対象となる可能性があります。
後から保険請求を行う際に必要になることがあるため、診断書・領収書の記録などは必ず保管しておきましょう。
インフルエンザに感染した場合、海外旅行保険は使える?
海外旅行保険に加入している場合、契約内容によってはインフルエンザに関連する費用が補償対象となることがあります。
ただし、「いつ感染したか」「どの補償に加入しているか」によって、適用される範囲は異なります。
ここでは、旅行前・旅行中・帰国後の3つの場面に分けて整理します。
旅行前|キャンセル費用が補償される可能性あり
出発前にインフルエンザと診断され、渡航を取りやめる場合、旅行キャンセル費用補償付きのプランに加入していれば、キャンセル料の一部または全部が補償対象となる可能性があります。
ただし、この補償はオプション契約となっていることが多く、加入していなければ対象外です。
また、保険金請求の際には医師の診断書や受診記録の提出を求められることが一般的なので、受診したうえで必要書類を準備しておきましょう。
旅行中|医療費・延泊費用が補償される可能性あり
旅行中に発症した場合は、海外旅行保険で現地の受診費用や薬代がカバーされるのが基本です。また、延泊を余儀なくされた場合の宿泊費や、日程変更にかかる追加交通費も補償されることがあります。
保険を使う場合は、必ず領収書・診断書・処方箋のコピーを保管し、帰国後の保険金請求に備えましょう。
帰国後|保険が使える・使えない境界線
海外旅行保険の多くは、「日本を出国してから帰国するまで」の期間に発病した傷病」を補償対象としています。
ただし海外旅行中に感染し、潜伏期間を経て帰国直後に発症したのであれば、通院・入院費用も補償される場合があります。
「帰国後72時間以内に治療を開始した場合」など基準が設けられている場合が多いため、保険会社に確認をしてみてください。
海外旅行中のインフルエンザ感染を防ぐための具体策
保険によって医療費や延泊費用が補償される場合があるとはいえ、せっかくの海外旅行でインフルエンザに感染してしまうと、観光や移動に大きな影響が出てしまいます。
できるだけ健康な状態で旅行を楽しむためにも、事前の予防が大切です。
感染を完全に防ぐことは難しいものの、渡航前の準備や旅行中の基本的な感染対策を心がけて感染リスクを減らしていきましょう。
渡航先の感染流行期を調べる
インフルエンザの流行時期は、国や地域によって異なります。
日本からの観光客が多い主な渡航先では、以下の時期に流行しやすい傾向があります。
| 国・地域 | 流行しやすい時期 |
| 日本・韓国・北米・ヨーロッパ | 11月〜3月 |
| オーストラリア・ニュージーランド | 5月〜9月 |
| 東南アジア(シンガポール・タイなど) | 6〜8月(雨季)+1〜3月(北半球の流行期) |
南半球では日本と季節が逆になるため、日本が夏の時期でも現地ではインフルエンザの流行期にあたる場合があります。
インフルエンザの流行状況は年によって変化するため、渡航前には外務省の海外安全情報や厚生労働省検疫所(FORTH)の感染症情報を確認しておきましょう。
渡航の2週間以上前までにワクチンを接種する
インフルエンザの流行時期に海外旅行へ行く場合は、出発前にワクチン接種を検討しましょう。
インフルエンザワクチンは、接種後すぐに効果が得られるわけではなく、免疫が十分に形成されるまで約2週間かかるとされています。
そのため、旅行の日程が決まったら、出発の2週間以上前を目安に接種を済ませておくと安心です。
ただし、ワクチンを接種していても感染を完全に防げるわけではありません。その他の基本的な感染対策もあわせて行いましょう。
手洗いうがいをして、十分な休息をとる
基本的な対策ではありますが、手洗い・手指消毒などは旅行前から継続して行いましょう。
海外旅行では空港や観光地など、人が多く集まる場所に行く機会が増えるため、感染リスクも高まります。特に空港や機内では、トイレの後や食事の前など、こまめに手洗いや手指消毒を行うことが大切です。
また、旅行中は疲労や睡眠不足によって体調を崩しやすいため、十分な睡眠を意識し、体調管理を心がけましょう。
機内やホテルで乾燥・冷えを防ぐ
飛行機やホテルでは、空調の影響で空気が乾燥していることがあります。乾燥した環境では、のどや鼻の粘膜の防御機能が低下し、ウイルスへの抵抗力が弱まる可能性があります。
マスクの着用やこまめな水分補給によって、のどや鼻の粘膜の乾燥を防ぐことも有効です。
また、インフルエンザウイルスは乾燥した環境で活動しやすいとされているため、ホテルでは加湿器を利用したり、濡れたタオルを干したりするなど、適度な湿度を保つ工夫もよいでしょう。
冬場に旅行する場合は、寒さによる体調不良にも注意が必要です。機内や観光中に体を冷やしすぎないよう、羽織れる上着などを準備しておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
最後に、海外旅行中のインフルエンザについてよく寄せられる質問にまとめてお答えします。
Q1. 同行者がインフルエンザになった場合、自分も帰国便を変更すべき?
症状がなければ、必ずしも同時に便を変更する必要はありません。
ただし、濃厚接触者として渡航先や航空会社から健康観察を求められる場合もあるため、同行者が発症した時点で航空会社や保険会社に状況を伝えておくと安心です。
Q2. インフルエンザと新型コロナのどちらかわからない場合は?
海外旅行中に発熱や咳、のどの痛み、倦怠感などの症状が出た場合、症状だけでインフルエンザと新型コロナを見分けることは困難です。
薬局やドラッグストアで検査キットはどちらも検査できるものが多いため、まずは購入して確認するのも一つの方法です。
ただし、高熱が続く場合や呼吸が苦しい場合、基礎疾患がある方などは、自己判断で様子をみず、現地の医療機関へ相談しましょう。
Q3. 海外の空港でインフルエンザの検疫チェックを受けることはある?
国や時期によっては、発熱者を検知するサーモグラフィーが空港に設置されていることがあります。また、発熱が検知されると、簡単な問診や追加の健康チェックを受ける場合があります。
海外旅行でインフルエンザにかかってしまっても落ち着いて行動を
海外旅行中にインフルエンザが疑われると、症状のつらさに加えて、帰国便や保険の扱いなど分からないことも多く不安になりがちです。
しかし、事前に対応の流れを知っておけば、いざというときも落ち着いて行動できます。
今回のポイントを整理すると、次のとおりです。
- 高熱・強い倦怠感・関節痛があればインフルエンザを疑う
- 症状が出たらすぐに保険会社に相談する
- 発症中は原則として飛行機は搭乗できない
- 治療費・延泊費用は海外旅行保険で補償される可能性がある
- ワクチン接種は出発2週間以上前を目安に実施する
安心して海外旅行を楽しめるように、今のうちに準備を整えておきましょう。
参考文献
学校保健安全法施行規則/厚生労働省
感染症流行情報/厚生労働省検疫所FORTH
海外安全ホームページ/外務省


