子連れの海外旅行で持っていくべき薬とは?薬剤師のおすすめ5選
家族での海外旅行。楽しみな気持ちとともに、こんな不安もあるかもしれません。
「旅行中に子どもが体調を崩したらどうしよう…」
「薬を持っていて空港でトラブルにならないかな」
「現地で薬を買っても大丈夫なのかな?」
今回の記事では、お子さんとの海外旅行におすすめの薬と、持っていく際の基本的なルールをご紹介します。
準備を万全に整えて、安心して当日を迎えてくださいね。
海外旅行に持っていくべき子どもの薬【5選】
家族で海外旅行に行く際は、ぜひ日本から薬を持っていくとよいでしょう。主な理由は次のとおりです。
- 慣れない環境で体調を崩しやすい
- 日本のように気軽に病院にかかれない
- 海外の薬は日本と成分や量が違うことがある
ここからは、海外でのお子様の急な体調不良に備えて、薬剤師がおすすめする「持っていくと安心な薬」を5つご紹介します。
1. 総合かぜ薬・解熱鎮痛薬
旅先では気温の変化や疲れから、風邪をひいてしまうことは珍しくありません。また、現地で怪我をして痛みが出てしまうこともあります。
普段あまりかぜ薬や解熱剤を使わないお子さんでも、念のために準備しておくと安心です。
ドラッグストアでも、お子さんの年齢ごとにシロップ剤・坐薬・錠剤など様々な剤形が買えるので、使いやすいものを選びましょう。
2. 胃腸薬・整腸薬
旅行中は、現地の水が原因でお腹を壊したり、逆に慣れない環境で便秘になったりすることがあります。
気をつけていても、子どもの場合は少しの変化で症状に現れることもあるので、整腸薬や便秘薬を持っておくと安心です。
ただし、食あたりが原因で激しい下痢や嘔吐がある場合は、薬で無理に症状を止めるのは危険です。
吐き気止めや下痢止めを使うことで、ウイルスや細菌を体の中に閉じ込めてしまい、症状が悪化する可能性があります。 薬を使うのではなく、水分補給をして脱水を防ぎ、十分な休養を取るようにしましょう。
3. 塗り薬
子どもの皮膚は大人より敏感なため、虫刺されや強い紫外線、冷暖房による乾燥でも赤みやかゆみが出ることがあります。
| 症状 | おすすめの薬 |
|---|---|
| 湿疹・かぶれ | 弱目のステロイド |
| 虫刺され | 抗ヒスタミン配合のかゆみ止め |
| 切り傷・擦り傷 | 抗生物質入りの化膿止め |
小さな傷でも炎症が広がることがあるので、旅行先で早めに対処できるように準備しておきましょう。
4. アレルギー薬
日本とは違う植物や食べ物などで、急にアレルギー症状が出ることもあります。
くしゃみや鼻水、体にかゆみがある場合には、抗ヒスタミンの飲み薬がいいでしょう。部位ごとの症状にあわせて目薬や点鼻、塗り薬の使用もおすすめです。
5. 酔い止めの薬
乗り物酔いしやすいお子さんには、酔い止め薬もあるとよいかもしれません。飛行機・バス・船などを利用する30分前に服用すると効果的です。
錠剤・ドロップ・ドリンクなど様々なタイプから選べ、水なしで服用できるものも多いので、旅行先で急に必要になっても安心です。
日本から薬を持っていくときの注意点
「日本の薬をそのまま持っていっても大丈夫?」と気になった方もいるかもしれません。
結論からいうと、ほとんどの薬は問題ありません。
ただし薬を持っていく際、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。
包装はそのままに、何の薬かわかるようにしておく
空港や現地の税関での確認がスムーズに進むよう、どのような薬なのかを説明できる状態で持っていくことが大切です。
- 薬はできるだけ元の箱や容器に入れたまま持っていく
- 成分名や使用方法、用法が書かれたラベルも剥がさない
処方薬の場合は、病院や薬局で「処方箋のコピーとその英訳文」「医師の診断書(英文)」「薬剤情報提供書・薬剤証明書」といった英語書類を発行してもらえます。
市販薬であっても、企業の公式サイトで英語版の説明書を入手できることがあります。見つからない場合は購入時に薬剤師に相談してみてください。
必要以上にたくさん持っていかない
旅行に持っていく薬の量は、「旅行の日数+予備分」程度にとどめましょう。
あまりに多くの薬を持ち込むと、営利目的など他の理由があるのではと疑われることがあります。
適切な方法で機内へ持ち込む
飛行機に乗る際、薬はできるだけ手荷物として持ち込むことをおすすめします。
主な理由は次の3つです。
- 預け荷物は温度変化の影響を受けやすい
- 子どもが機内で体調を崩すことがある
- ロストバゲッジ(預け荷物の紛失・遅延)のリスクがある
ただし、子ども用の粉薬やシロップ剤などは形状がさまざまなため、持ち込み方法や保管方法に注意が必要です。
【注意が必要な薬と一般的な対応方法】
| 薬の種類 | 注意点・対応方法 |
| 粉薬 | 通常は持ち込み可能だが、見た目だけでは違法薬物と疑われやすいため、薬袋や処方内容が分かる書類を携帯しておくと安心。 |
| 液体の薬 (シロップ剤・目薬など) |
医薬品は一般的な液体物の制限からは除外されることが多いが、保安検査は実施されるので、すぐに取り出せるようにしておく。 |
| インスリン・エピペンなど |
処方箋のコピー・主治医の証明書・糖尿病患者用IDカードなどの提示を求められることがある |
| 喘息の吸入器 | 通常は機内への持ち込み・使用は可能だが、電動吸入器を使用する場合は、事前申請が必要な航空会社もある。 |
薬の持ち込みルールは航空会社によっても異なることがあるため、事前に確認するようにしましょう。
国ごとのルールを必ず確認する
医薬品の持ち込みルールは国によっても異なります。
例えば、「持ち込み可能な数量や日数の上限」「薬の情報を示す書類の提出義務」「特定の成分を含む薬の持ち込み規制」などが定められている場合もあるため注意しましょう。
子どもが使用する多くの薬は問題なく持ち込めることが多いですが、ADHD治療薬のコンサータなど、事前に許可申請が必要な薬もあります。
規制内容は変更されることがあるため、出発前に厚生労働省・外務省・渡航先の大使館や領事館の公式サイトで最新情報を確認しておきましょう。
【参考になるホームページ】
海外渡航先への医薬品の携帯による持ち込み・持ち出しの手続きについて/厚生労働省
世界の医療事情/外務省
薬以外に持っていった方がよい健康管理グッズ
ここからは、薬以外にも持って行った方がよい康管理グッズをご紹介します。
海外旅行を安心して過ごすために用意しておくことをおすすめします。
衛生用品
旅行中は転倒や靴ずれ、小さな切り傷など応急処置が必要になる場面があります。すぐに対応できるよう、以下のような衛生用品を持参しておくと安心です。
絆創膏・ガーゼ・包帯・消毒液・除菌スプレー・爪切り・ピンセット
また、オムツが必要な場合は、予定より少し多めに持参することをおすすめします。現地で購入できる場合でも、日本の製品とは品質や肌触りが異なったり、サイズが合わなかったりすることがあるためです。
長時間の移動や時差の影響で交換回数が増えることもあるため、予備を含めて準備しておくと安心でしょう。
虫刺されや日焼け対策用品
子どもは大人よりも皮膚が薄く、虫刺されや日焼けによる赤みや腫れも起こりやすいです。
特に東南アジアのように蚊に刺されやすく紫外線の強いエリアに行かれる方は事前の対策が重要です。
虫除けスプレー・日焼け止め・帽子・ラッシュガード
現地の日焼け止めなどは肌に合わないこともあるので日頃から使い慣れたものを持っていく方がよいでしょう。
気温・湿度に対応できるもの
渡航先での気温や湿度の変化に対応できるよう、準備しておくことも大切です。
保冷剤・カイロ・冷却シート・水筒・イオン飲料・羽織れる上着
きちんと体温調節や水分補給ができると、旅行先でも風邪をひきづらくなります。
ジェル状・液体状のものは飛行機の持ち込みルールを確認してから準備しましょう。このほか、体温計や母子手帳も現地受診の際に役立ちます。
病院に受診した方がいいケースと緊急時の対応方法
もし持参した薬では対処できないような状況であれば、現地で適切な医療を受けることが大切です。
「どんな症状なら病院に行くべきか」「病院を探すにはどうしたらいいか」といったことをあらかじめ確認しておくことで、緊急時にも落ち着いて対応できるでしょう。
受診の目安・症状のチェックリスト
子どもに以下のような症状がみられた場合は、市販薬では対応できません。迷わず医療機関を受診しましょう。
- 高熱が続き、解熱薬で下がらない(38.5℃以上)
- 強い腹痛や嘔吐がある
- 呼吸が苦しそう、咳やゼーゼー音がひどい
- 意識がもうろうとしている、ぐったりしている
- 発疹が広がる、腫れや水ぶくれがある
- 急なアレルギー症状(顔や唇の腫れ、呼吸困難など)
何日も薬を使用しても症状が良くならない、むしろ悪化している場合も受診が必要です。
現地医療機関の探し方
観光予定地やホテル近くの病院・診療時間を事前に確認しておきましょう。日本人観光客の多いエリアでは日本語対応可能な病院もあるかもしれません。
病院探しには、外務省の海外安全情報や在外公館、ホテルのコンシェルジュ、海外旅行保険の緊急サポートなどが役立ちます。
事前にスマホへ医療機関の情報を保存しておくと、急な体調不良でも慌てずに対応できます。
現地で薬を調達する際の注意点
海外ではすぐに病院に受診できないケースも珍しくないため、まずは現地の薬局で相談してみるのも一つの方法です。
国によって商品名やパッケージは異なりますが、薬の成分名は世界共通です。ただし、海外では子どもに使う薬の量や種類が日本と異なることがあります。
初めて使う薬や、普段とは違う量で使用する際は、副作用や体調変化に注意することが大切です。
そのため、これまで使用したことのある薬の名前や成分、アレルギーの有無を英語でも分かるようにメモしておくと、現地の薬剤師に相談する際に役立つでしょう。
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安心して海外旅行の日を迎えられるように
子連れの海外旅行では、思いがけない体調の変化があるかもしれません。そんな時のために、お子様の薬を日本から持っていくことをおすすめします。
旅行先の国や航空会社の機内持ち込みルールを事前に確認しておくと安心です。
手洗いうがいや予防接種などの体調管理もあわせて行い、家族みんなで元気に海外旅行を楽しんでください。
参考文献
厚生労働省麻薬取締部麻薬等の携帯輸出入許可申請を行う方へ/厚生労働省麻薬取締部
厚生労働省「海外渡航先への医薬品の携帯による持ち込み・持ち出しの手続きについて/厚生労働省
世界の医療事情
医薬品の持ち込みが必要なお客様/ANA公式サイト


